最高収量を目指すために
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  ■新栄養週期栽培法

1)はじめに
2)栄養週期栽培法
3)栄週の再現性
4)問題点(苦土
5)問題点(土壌)
6)問題点(尿素)
7)新栄週の命名根拠

新栄週の理論体系
1)ソースシンク理論
2)人間と作物
3)人間と作物2
4)栄養と分化生長

5)分化と肥大生長
  新栄養週期栽培法の理論体系

               
何よりも大事なことは事実である       大井上康

栄養週期栽培法においても書物の表題が新栽培技術の理論体系となっていることから、原点には栽培技術の理論体系があったのではないかと勘繰ってしまいますが、新しい技術は必ず発生するべきで、かのアインシュタインが 相対性理論をあらわして後、統一場理論の構築を夢見ているように、植物学においても、総合的な理論体系の構築が必要と思われます。

この文書は、英国ロザムステッド試験場福場長 George W. Cooke 博士の
 
     Fertilizing for Maximum Yield   最高収量のために  

                       和訳名 施肥の理論と実際   養賢堂

において、触発されたもので、農産物生産の究極の目的は、最高収量を到達することにあり、そのための手続きこそが、TPPや高齢化、エネルギー問題を内蔵する農業生産現場に、必ず必要となる目的と思われるからであります。

プリウスの燃費や、iPodのような商品が発明されることも、すべての技術革新の目的は、他社以上の効率や、使いやすさ、かっこよさの追求から生まれるもので、最高収量を実現できたときの、草体の容姿は、見事なかっこよさを示していると憬れるものであります。

見てみたい、コレは筆者の目標ですが、実現することの賛美以上に多くの収入を得ることが出来るのも、いつかは、たどり着きたい領域のはずです。

スティーブジョブスや、ビルゲイツが実現できた背景には、間違いなく現存する人類の中で、卓越した知識とアイデアを持ち、それ以上に、目的に対するビジョンが実在していたためと思われます。目的を持つことがすべてを実現することで、盲目の人が頂上に着いたかを知るには、いかなる時間が架かろうと、最後にこれ以上がなくならない限り、一歩一歩上に上がる以外には方法はありません。

メディアは、電気信号で作られ、古典物理の法則において作られるもので、植物には関連がないようでありますが、陽子、中性子、電子で作られた原子が、6個の陽子と6個の中性子が核力で結合されることで炭素原子となり、その炭素と水の分子である水素と酸素、そして窒素分子で構成された炭水化物やたんぱく質は、コンピュータに近い物理法則(電離)で結合したり分離したりしており、生命の生成も分解も、古典物理で十分説明できる分子の集まりに過ぎません。

炭酸ガス(CO2)と水が、光合成によって初めて炭水化物を生成することで、地球上の生命は始まりを得ますが、その後窒素と結合しアミノ酸となり、たんぱく質になることで、植物の概観が構成されます。

筆者は、相対性理論や、不確定性原理、量子力学などの書物を読むことが10代の趣味でありましたが、初めての就職で核融合炉(JT60)建設にかかわり、30年前ではありますが、究極物理学の一端を垣間見、原発の定期検査なども従事していました。

その経験から、物事を分子レベルや、原子レベルで考察する癖がついており、植物の生育もまた分子レベルの結合と分解に過ぎないことを肌で認識しております。

天気や土壌の違いで生育性が違うことをことさらに表現する農業界でありますが、その原因はすべて温度差や、湿度差などに起因する物理法則の変化によるもので、天気が原因ではなく、天気による日照、温度及湿度の変化が樹体内の代謝速度や、転流先を変更させることが原因であり、古の老農や
書物が示すとおり、医薬のように肥料を用いることで、生育性を制御させることが十分に可能であり、 

                 ”不作など、といううことは無い”     領域に到達できます。

分子生物学や遺伝子工学などの先進分野もありますが、最高収量を実現するために必要な理論は、
そのステージの生育をどちらの方向に(栄養生長か生殖生長)導くかであり、発芽時に過剰に窒素を提供する農業者は、理論でも経験でも実在しないと思われますが、リン酸を多めに投入することは、従来からの結果から、初期成育には必要な概念であり、はじめから生殖生長型に導くひとつの方法であります。

最高収量を実現するためには、生育とは何であるかを、明確に理解する必要があり、人間などの動物と植物の違いは、臓器などの専用の目的器官が植物には存在しませんので、農業者が人間にたとえて農産物を語ることには理論上では非常に間違いであるといえます。

動物は、他者の養分を口中に入れ、胃に運び分解することで、アミノ酸や炭水化物を取り入れ、エネルギーや、血肉に再合成して生命を維持しており、他者の有機物(殺した死体)を体内に取り入れることが生命維持の絶対条件で ”従属栄養生物” といわれています。

一方、植物は、炭酸ガスと水と光から、糖分などの炭水化物を”自ら”作ることができ、誰も殺さなくとも自然界にある無機物(生命ではない)から命を作り出せる ”独立栄養生物”といわれています。

では果実はなぜ大きくなるのか、

独立して大きくなるのではなく、誰かから養分を供給されて大きくなるのです。

周知のように、葉から養分を再転流されて大きくなるのであり、動物が持ち得ないその性質を明確に説明できる概念が ”ソース・シンク理論” であります。


   1) ソース・シンク理論

母親は、大事な赤子が空腹であることを、泣き声や前後の習慣で認識しますが、植物は葉色や茎葉の大きさで表現します。

葉色が薄くなることは、窒素成分の供給が少ないためでありますが、非常に小さな子葉が発芽の頃より葉色が薄いことは無く、5〜8枚程度の展開後に子葉の葉色の変化があるようです。

子葉を鮮やかな緑にする養分の供給は、種子より提供され、種子は子葉の十分な生育を確保するだけの養分を内包しております。
このとき、種子を 
”ソース” といい、日本語では供給側と言えます。

そして、種子の養分を一身に受け取る側を 
”シンク” と称します。日本語では受容側と言えます。

赤ちゃんは機械のような純粋さで、母親のおっぱいを飲みすぐに寝ますが、この概念で言えば、種子は母親で、子葉が赤子のようです、確かに子葉には”子”の字が使われており、発芽した子葉は非常にかわいく愛おしい物ですが、その不安定さも赤子のような、か弱さを持っております。

子葉は、数日で一定の大きさに到達し、母である種子の養分を吸い尽くす以前より、自ら光合成を開始し、自ら養分を生産できるようになります。このとき子葉は ”ソース”  になり、自ら生産した養分を再転流して、初めて発生する本葉に供給を始めます。

僅かに芽吹いた本葉は、供給された養分を吸収し、自らの茎葉を形成していきます。
図に示すように、子葉が展開し一定の大きさ以上のなるとおそらく子葉からの養分供給は潰え、変わりに自らが光合成を行うことが出来るように成ります。

厳密にどの時点で、光合成が始まっているか、本書の目的ではなく、大事なことは光合成を行えるようになると、本葉の芽吹きが始まり、本葉の展開が開始されます。

このとき、子葉は明確に光合成を始めており、
”ソース”に昇給しており、今後の展開される茎葉の母親の役割を果たすことになります。

”シンク” である本葉は、やはり子葉がたどってきたと同じように、一定の大きさになるまでの間、子葉からの養分供給により生長し、一定の大きさに展開された時点で、光合成を開始し、”ソース” に昇給します。

子葉は、この後”ソース” であることを続けますが、自らもややしばらくは、生長を続け、健全な養分供給が土壌から行われておれば、子葉も大きくなっていきます。

予断でありますが、農業生産において、子葉の果たす役割は非常に大きく、本葉展開のかなりの期間に亘って(トマトで収穫まで)子葉が健全であることは、十分な施肥が供給されているかの大切な判断材料となり、子葉の黄化は、栽培期間中に起こしては、必ず生育に損失を発生させています。

本葉の展開は、使用の大きさに左右され、発根の養分もまた子葉及び本葉から供給されます。

本葉の展開が進み、十分な大きさと葉色が確保されることで、

トマトの場合の3枚の葉柄をソース・シンク単位と称し、最上部が ”シンク単位” であれば、直下は ”ソース単位”  で表されます。

生育が進行することで、中段から下の茎葉すべては
 ”ソース” であり、最終的な植物の目的である、果実と内包する種子が、 ”シンク” であります。

ソースシンク 人間と作物
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3)栄週の再現性
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5)問題点(土壌)
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3)人間と作物2
4)栄養と分化生長

 

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新栄週:植物の分化